八冠を記念して、なんとも言えないタイトルを冠してみました。ここでの「完成」とは「主観で規定される到達点」のことを指します。
ヒトは何らかの完成を目指し、生涯それらを追い続ける性質があるのだと考えています。さて、それらが完成したときに一体なにが与えられるのか、という話です。
ソレ は達成感などを経た最後に 突如 やってくのではないかと考えています。
それは 何もない状態 です。虚無 と呼べるのかもしれません。
そこには 余白がない ということになります。
そこには もう 手を加えることができません。
そこには 何もない のです。
懐古的に、涅隊長のセリフに奥行や有難味を感じた次第です。
――――――“完璧な生命”
か
世界には完璧などというものは存在しないのだヨ
陳腐な言い回しになるがネ
それは事実だ
なればこそ凡人共は“完璧”に憧れそれを求める
だがネ
“完璧”に何の意味がある?
何も無い
何も
何一つだ
私は“完璧”を嫌悪する
“完璧”であればそれ以上は無い
そこに“創造”の余地は無く
それは知恵も才能も立ち入る隙が無いという事だ
解るかネ?
我々科学者にとって
“完璧”とは“絶望”だヨ
今迄存在したなにものよりも素晴らしくあれ
だが
決して完璧である莫れ
科学者とは常にその二律背反に苦しみ続け
更にそこに快楽を見出す生物でなくてはならない